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今日の相談室 №2 介護保険の基礎知識 ~申請から認定まで~

やなせ内科呼吸器科クリニック 柳瀬 みのり

 このコーナーでは、みなさんからのご相談をもとに、医療・福祉に関する豆知識をお伝えしていきます。

身近な人に介護が必要になり、介護保険サービスを利用したいと思ったとき、まずは要介護認定を受ける必要があります。今回は、介護保険サービスを利用するための第一歩となる要介護認定についての基礎知識をお伝えします。


■要介護認定とは?

介護保険サービスを利用したい方にとって「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものです。認定は7段階と非該当に分かれています(左図参照)。結果が出るまでおよそ1ヶ月程度かかります。介護保険サービスを利用するためには、この要介護認定の申請が必要です。


■申請から認定までの流れ

  1. 申請:お住まいの市区町村の窓口、地域包括支援センターへ行きましょう。申請は、ご本人、ご家族等が行います。申請には、介護保険被保険者証が必要です。40歳~64歳の方は医療保険証が必要です。
  2. 訪問調査:市区町村の調査員がご自宅を訪問します。心身の状態や生活の様子についてご本人やご家族から聞き取り調査を行います。
  3. ◆ポイント◆
    ・普段の生活で困っていることを具体的にメモしておきましょう(移動、食事、入浴、排泄、身の回りの管理など)
    ・1日通しての様子を伝えましょう(夜間の様子なども)

  4. 主治医意見書:市区町村から主治医へ作成を依頼します。医学の専門的な視点から、ご本人の心身の状況を把握するためです。
  5. 一次判定:訪問調査(②)、主治医意見書(③)の一部の項目がコンピューターに入力され、要介護度の判定が行われます。
  6. 二次判定:一次判定の結果(④)と主治医意見書(③)をもとに、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」による要介護度の判定が行われます。
  7. 認定:申請者に結果が届きます。

■おわりに

「介護保険」と言うワードには耳慣れている方も多いのではないでしょうか。何となく知っている制度も、その仕組みや流れを理解しておくことで、ご本人、ご家族の心配や不安を軽減できるのではと感じます。  次回は、認定が届いてから実際にサービスを利用するまでの流れについてお伝えしていきます。


発行/萩野原メディカル・コミュニティ