循環器なんでもQ&A

やなせ内科呼吸器科クリニック 循環器科 山下 恭典

健康や病気に関する読者の疑問に応えるなんでもQ&A。
今回は山下先生が循環器の病気に関する質問にお答えします。


Q1 最近、就寝中に動悸で目が覚めることがあります。病院を受診するべきでしょうか?

A1 動悸に限らず何らかの症状のために睡眠が中断した場合は、繰り返し起こるのであれば、何らかの病気が隠れている可能性があります。症状の内容が動悸、胸痛、咳、呼吸困難であれば呼吸器科や循環器科に相談するのが妥当だと思います。

Q2 どんな病気の可能性があるのでしょうか?

A2 ご質問のような動悸で目が覚めた場合には、不整脈などの病気を疑うことになると思います。もしも症状が胸痛であった場合には、やや特殊なタイプの狭心症発作(冠攣縮性狭心症といいます)も可能性が出てきます。咳や呼吸困難であった時は喘息発作や睡眠時無呼吸症候群なども考えられます。ただし基本的には症状が出たその現場を押さえないと確定診断には至らないため、診断がつかずに終わってしまうケースも比較的多いです。

[ホルター心電図]コンパクト
で違和感なく着用できます。
Q3 病院を受診した場合、どのような検査を受けますか?

A3 疑われた病気の種類によって検査方法は当然異なります。不整脈や狭心症を疑った場合はホルター心電図(24時間心電図を記録する方法)で症状があるときの不整脈を捉えたり、狭心症発作時に特徴的な心電図変化を記録したりできれば診断に役立ちます。ただし、症状がなかった時の心電図所見のみでは確定診断とならないのが玉にキズです。
 ひどいいびき、呼吸困難、呼吸の乱れなどの症状の場合には、睡眠時無呼吸症候群を疑って、終夜睡眠ポリグラフィーを行います。これは脈拍、血液の酸素飽和度、鼻の気流、呼吸筋の運動などを検知するセンサーを体につけ、自宅で睡眠をとり記録するものです。呼吸が弱くなったり一時的に止まったりが頻繁に見られるようであれば、専門の病院で一泊入院し、もっと詳細な記録をとることになります。




発行/萩野原メディカル・コミュニティ