ワンポイントヘルシートピック おいしく食べて健康生活 Vo.16
わたひき消化器内科クリニック 管理栄養士 綿引 眞躬

今、世界中から“日本の食事はヘルシーだ”と注目されています。
 
日本の食事の特長は、たんぱく質の摂り方にあります。主食の米、大豆などの植物性たんぱく質や、魚介類を上手に取っているからヘルシーなのです。でも、たんぱく質のとりすぎには注意が必要です。
日本人の食事摂取基準を考える(2005年版) その3 

●たんぱく質、あなたはとりすぎていませんか?
 新しい「食事摂取基準」ではたんぱく質の推奨量が成人男性60g、女性50gと、かなり少なくなっています。(前回改定の所要量では、成人男性70g、女性55g)
 たんぱく質は、私たちの体の筋肉や臓器を作っているもので、酵素や抗体、ホルモンの原料になります。しかし、摂り過ぎると腎臓に負担をかける栄養素でもあります。適正範囲の上限は、エネルギー比率の20%以内です。1600キロカロリーの場合なら、80g以内が望ましいことになります。
★動物性と植物性の両方からとりましょう
 動物性のたんぱく質は、肉、魚、卵、牛乳・乳製品から摂ることができます。アミノ酸スコアが高く、質のいいたんぱく質です。しかし、肉や卵、牛乳・乳製品の脂肪には、コレステロールを増やす飽和脂肪酸が多く、食べすぎは禁物です。一方、魚には、コレステロールを減らしたり、血栓ができるのを防ぐDHAやEPAが多く、おすすめです。
 植物性のたんぱく質の代表は、大豆です。食物繊維や抗酸化物、カリウムも多く、血糖値やコレステロールを下げる働きをします。また、主食の米やパン、麺も蛋白源です。
★食品の中のたんぱく質の量は?
  日頃食べ慣れている食品の中には、どのくらいのたんぱく質が含まれているのでしょうか。
魚や肉 : 約20%がたんぱく質です。
  ・ 鮭1切(80g) ……………16g
  ・ 鯵1匹(60g) ……………11g
  ・ 鶏腿肉60g………………11g
  ・ 豚肩肉60g………………12g
卵1個(50g)……………… 約6g
とうふ100g(1/3丁) …… 6.8g
納豆1パック(40g) ………6.6g
牛乳200cc …………………6.4g
ごはん1膳(160g) ………… 4g
食パン(60g)で………………5g




発行/萩野原メディカル・コミュニティ